WordPressのデフォルトテーマ(Twenty Twenty-Two)をカスタマイズして使うメリット・デメリット

公開日:2022(令和4)年9月27日/最終更新日:

Twenty Twenty-Two Theme Customize | Personal WP Customization Notes (PWCN)

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いろいろなページで、WordPressのデフォルトテーマであるTwenty Twenty-Twoについてのインプレッション(印象や検証)が紹介されていますが、実際にはさらっと有効化してさらっと使って見た印象が書かれているものが多く、実際に使われている方は少ないですね。

そこで、この実際に使用しているこのサイトで、私が感じるTwenty Twenty-Twoテーマを使うメリット・デメリットを思いつくままに紹介していきます。

Twenty Twenty-Twoを使ってサイトを公開するメリット

更新されなくなることはまずない

WordPressをインストールすると同時にインストールされるデフォルトテーマ。Twenty Ten(2010年の意)がでは一番古く、年代に応じていくつかのテーマがインストールされ、その時の最新のテーマが有効化されています。

実はデフォルトテーマにはもう1つ重要な役割があって、他のテーマを有効化している状態でエラーとなったりして、一旦テーマフォルダを削除したとしても、デフォルトテーマが有効化されて一応サイトが稼働する状態になる、転ばぬ先の杖の役割も果たしています。

そして、デフォルトテーマはWordPress本体の開発と同じくたくさんの方によって開発とメンテナンスがされており、最古のTwenty Tenも閲覧環境やWordPress本体の更新、セキュリティの問題などに対して更新し続けられています。

つまり、WordPressがなくならない限り、どの世代のデフォルトテーマを使っても、更新が途絶えることがないというのが、最大のメリットです。

もちろんデフォルト以外の無料テーマや、どこかで販売されている有料テーマも同じように更新されていますので、短期的には問題が起こることはないでしょう。

でも、それらは個人または企業が提供しているものであり、ぶっちゃけ「やーーめた!」と更新が停止されたり、配布されなくなるケースも少なくありませんから、安心度という面ではデフォルトテーマをカスタマイズして使うことが一番安全かも知れません。

余分なものが含まれていない

デフォルト以外のテーマは主にWordPress公式サイト内、または、個人や企業のホームページ上で配布もしくは販売されています。

そして公式配布のテーマについては、プラグインが行うべき機能をテーマに持たせないことが前提になっています。

もちろんデフォルトテーマもその流れに則っていますので、余分な機能は一切入っていません。これは不親切ということではなく、WordPress本体との親和性を保つためであり、不具合を起こしにくいものであると言えます。

逆に、公式サイト外で配布・販売されているテーマは、プログラムを書き足して特別な機能を有していることをメリットとしているものが多いです。

これは、初心者の方や企業ホームページを作成される方、できるだけ簡単にサイトを作りたい方にとっては、とても有意義であることに違いはないのですが、テーマに内包されてい機能のうち、WordPressの更新によって使えない機能が出てきた時、テーマの更新がされなければ、機能またはそのテーマ自体が動作しないという状況に陥ることもあります。

最近ではブロックエディタの浸透によって、独自のブロックを持つ有料テーマが増えてきており、投稿や固定ページの編集画面上で、見た目を確認しながらスイスイコンテンツを作れて便利な反面、別のテーマへの切り替え時にはそれらのブロックが継承されないため、表示されなくなったり、たくさんのコンテンツの修正が必要になるケースがありますから、注意が必要です。

最大のメリットはFSE(フルサイト編集)機能

Twenty Twenty-Twoテーマは従来のテーマのような表示の形を持っていません。例えれば、真っ白な画用紙が存在しているようなテーマです。

最初に有効化されているTwenty Twenty-Twoテーマでの表示を見て「素っ気ない」「ダサい」などと思われる方は少なくないでしょう(笑)が、これは、最低限の内容を出力するようにだけしてあるのであって、本サイトのようにいろいろな形に自由に変更することができます。

ブロックエディタで投稿や固定ページを作っている方なら、列を分割したり、画像を入れたり、文字に色を付けたりということはされているでしょう。

そうしたものを使って、投稿を表示させるため、固定ページを表示させるため、一覧を表示させるためなど、シーンに応じたテンプレートを、ブロックエディタで自由に配置し、色などの指定ができるというのが、FSEのシステムです。

実際、普段ブロックエディタで投稿などを作っている私でも、最初はテンプレートの編集に戸惑いましたが、ポイントを押さえて編集に慣れていくにつれ、こちらの方が使いやすくなってきたと感じる位です。

最初から形の決まったものでスタートしたい方には不向きかも知れませんが、自分でサイトを作る!!ということに興味のある方なら、絶対に面白いと思います。

また、ブロックエディタと同様、その場で色や隙間などの変更ができるので、特別な場合を除いて、CSS(スタイルコード)などを覚えていなくても、ある程度のデザインはできます。

実際にこのサイトでも、CSSに記述している内容は数十行で、このサイトを作ることができています。

テンプレートやパーツを自由に追加できる

テーマとして必須となるテンプレート(一覧、ホームといったもの)を除き、投稿テンプレートや固定ページテンプレートなどを自由に追加することができます。

追加した投稿や固定ページのテンプレートは、投稿(固定ページ)編集画面のテンプレート選択で切り替えることができます。

投稿・固定ページテンプレートの追加は、投稿(固定ページ)編集画面のテンプレート欄にリンクがあります(ちょっとわかりにくいです)

また、テンプレートパーツという機能があり、ウィジェットや再利用ブロックのように、作成したパーツをテンプレート内へ自由に配置し、パーツの変更をすれば同じパーツを使うすべてのテンプレートも更新できます。

現在では、特定のカスタム投稿タイプで特定のテンプレートをデフォルトにするという使い方はできないようですが、theme.jsonを編集することで、特定の投稿タイプでのみそのテンプレートを利用可能にすることはできます

子テーマを使えばテンプレートの移行も簡単

Twenty Twenty-Twoテーマは、旧来のテーマ同様、子テーマを作って使用することができます。

そこにカスタムコードを書いたり、カスタムCSSを書くこともできますから、テンプレートを作る部分の動作が違うだけで、操作そのものは旧来のテーマと変わりません。

これはTwenty Twenty Twoの機能なのかどうか分かりませんが、テーマのエクスポート機能があり、エクスポートしたテーマを別のサイトで有効化することで、作成したテンプレートやテンプレートパーツも含めて移行することができます。

テンプレート名に日本語を使うと、移行時に適当な英語名へリネームされるようです

子テーマに別名を付けることで、ブログ用のテンプレートを持つ子テーマ、コーポレートサイト用のテンプレートを持つ子テーマ..といったものを作ることもできそうです

表示速度やパフォーマンスも良好

通常、高機能と呼ばれるテーマでは、テーマカスタマイザーなどでスイッチを設けて機能の有効化/無効化ができるようになっているものの、どうしても余分な情報がHTMLに出力されがちで、表示速度などに影響が出ることが多いです(特に100投稿を超えた辺りから顕著になってくるイメージがあります)。

TT2は先にも書いた通りプラグインが行うべき機能は一切搭載していないため、表示速度が遅くなってしまう懸念は少ないと思います。

このページを実際に開いた速度感や、Google PageSpeed Insightsなどで実際にこのページや他のページを分析していただいて、どの程度のパフォーマンスなのかを調べていただいて、判断材料にされるとよいかと思います

Twenty Twenty-Twoを使ってサイトを公開するデメリット

メリットの裏返しになってしまうものばかりではありますが、以下が私が感じるTwenty Twenty-Twoテーマのデメリットです。

最初から見栄えがいいと言える形になっていない

Twenty Twenty-Twoテーマは自由がウリのFSEテーマ(公式用語ではブロックテーマ)です。

したがって、初期段階では、味も素っ気もない、逆に巨大な画像が目立つだけのちょっとダサい感じになっています。

でもこれはメリットでも書いた通り、自由に変えてもらうための最低限の表示であり、編集に慣れれば本当に自由にサイトの顔を変えることができます。

ただ、ブロックエディタでの作業に慣れていない方や、自分でデザインするのは無理だろうという方にとっては見た目を作ることに大変な時間を要することにもなりかねないため、既成のテーマの中から気に入ったものを選ぶとよいでしょう。

ただし、既成のテーマでも、有効化すればそのテーマのデモのようになるというわけではありませんから、個人的にはどっちもどっちかな?という感じがしています。

機能追加するにはプラグインを探す手間がある

デフォルトテーマには余分な機能が一切ありませんから、何かの機能を追加したい場合には、プラグインを探すか、自身でコードを書いて適用させていくしかありません。

ただ、私がWordPressを始めた頃のように情報がないわけではなく、検索すればたくさんのカスタマイズ情報やプラグインの機能情報が入手できますから、それほど手間はかからないでしょう。

FSEで編集しきれない部分がある

Twenty Twenty-Twoテーマのテンプレートを編集していると、「何でここはこうならないんだろう..」と感じる部分が結構出てきます。

ただそれは、Twenty Twenty-Twoのようなブロック形式のテーマの問題ではなく、ブロックテーマの特徴である「基本情報はtheme.jsonというファイルで定義する」というところに慣れていないことと、テーマ云々ではなく、テーマのテンプレートに挿入するブロックエディタのブロックの問題だと思います。

ブロックエディタもまだまだ変更されていっている機能ですし、FSEについてもブロックテーマに関係するブロック類が出てきてそれほど時間が経っていない(ブロックテーマ用のブロックが出てきたのはTwenty Twenty-Twoテーマが出てくる少し前)ので、今後どんどん変更され、使いやすくなっていくでしょう。

総評

このサイトの子サイトで「HABONE」で私が制作したテーマ(ブロックテーマではなく旧来のテーマ)の配布もしてますし、ずっと旧来(現在ではクラシックテーマと呼ばれています)のテーマでサイト作りをしてきましたし、何より何となくFSEにアレルギーを感じていたので最近まで手を出すことのなかったTwenty Twenty-Two。

本当に最初は戸惑いましたが、今見ていただいているように「これTwenty Twenty-Twoで作ってるの?」という感じになってきました(自画自賛です..)。

WordPressはこれからますますブロックの拡充をしていくことに違いありませんし、クラシックテーマの固定感にとらわれずにサイトが作れる..このメリットは大きいと思います。

このサイトでは、プラグインをいくつか使いながら、「HABONE」で搭載しているような、プラグインを使わずにいろいろな機能を追加しており、それらもこのサイト上で公開していっていますので、参考にしていただきつつ、サイト作りをしてもらえたら幸いです。



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