Twenty Twenty-Two(以下TT2)テーマに標準で搭載されているテンプレートって大味というか、何というか..いわゆる残念な感じですよね?
多分WordPressをインストールして最初に表示されるこの残念な感じを見て、何をどうしたら?と戸惑ってしまうか、ネット検索で発見した有料/無料テーマにさっさと変更される方は多いのでしょう。
かつては私もその一人でした。自分でテーマ作って、さっさと変更していました。
でも..触ってみたら、結構面白いテーマなんです。
TT2や最新のTT3(Twenty Twenty-Three)テーマがなぜ初期段階で素っ気ないのか?それは、あえて完成イメージを与えないことで自由にサイトを作ってほしい!そういう願いが込められているのではないかと、個人的には推測します。
TT2もTT3も普段ブロックエディターで投稿を書くのと同じように外観を作れるブロックテーマなので、コツさえ覚えればいろんな形のレイアウトを作ることができます。しかも、旧来のクラシックテーマのように、決まった形(例えば右にサイドバーがある..など)にとらわれずに、自由発想で作ることができるのが最大の魅力。
本ページでは、しばらくこのサイトでTT2を触ってきた経験を基に、テンプレートカスタマイズの仕方について、できるだけ詳しく紹介していきます。
触り慣れてしまえば、もうクラシックテーマには戻れなくなりますよ!!きっと..。
TT2やTT3テーマの最大の魅力
WordPressの新旧デフォルトブロックテーマであるTT3、TT2の魅力は、大きく以下の3点です。
- デフォルトテーマなので、最新のWordPressバージョンでも使えるよう不具合対処がきちんとされる
- ブロックテーマなので、基本構造に大きな変化が起こらない
- デフォルトテーマなので、余分な機能、テーマ特有の機能(テーマ移行時に不都合が生じる機能)がない
例えばWordPressで恐らく最初にデフォルトテーマとなったTwenty Tenというテーマも、10年以上経った今でも最新バージョンのWordPressで問題なく動作します。その他のデフォルトテーマも、WordPressや環境の変化に応じてきちんと更新されています。
つまり、他者が作成したテーマのように「やーーめた!」ということがなく、恐らくいつまでも問題なく使い続けられる、一番安心なテーマだと思います。
また、TT2やTT3はブロックテーマなので、ぶっちゃけるとブロック形式のテーマであるべき基本環境があるだけで特に余分なものがありません。同時に、他者が独自に配布しているテーマにありがちな、プラグインで追加することが望ましいとされる機能は一切含まれていませんから、後々テーマを変えよう!となっても不具合や不都合が起きる可能性が少ないのも魅力です。
テンプレート作成で押さえておきたいこと
実際に作り進める前に、テンプレート作成でいくつか押さえておくとよいポイントについて紹介します。
ブロックエディターを使った投稿などの作成・編集に慣れていること
現在のWordPressでは標準となっているブロック形式のエディター(段落ブロック、画像ブロックなどの「ブロック」と呼ばれるものを追加して編集するタイプのエディター)を使って、普段から投稿や固定ページの作成をしている方は、基本的にテンプレート編集での操作も同じことをすればよいため、特に戸惑うことはないと思います。
慣れていると言っても普通に必要なブロックが追加でき、ブロックに何かの設定をすることができ、ブロックの移動ができる..というような基本操作ができれば問題ありません
旧来のエディター(ビジュアルエディタやテキストエディタと呼ばれるもの)で編集していた方は、まず、ブロックを使った投稿や固定ページの編集に慣れてから、ブロックテーマ(TT2やTT3テーマ他)の編集を行った方がよいでしょう。
テンプレート編集はある程度コンテンツが増えてから
ある程度形が決まっているクラシックテーマとは違い、ブロックテーマはレイアウトそのものから自身で自由にカスタマイズできるテーマです。
それ故、投稿や固定ページが数件という段階で完成という形に持っていくのは難しいテーマであるとも言えます。
まずは、デフォルト(インストールしたまま)の状態でいくつかの投稿を公開した上で、テンプレートの編集を行うと、やりたいことが見えてくると思います。
レイアウトに制限はありません、自由に配置できます
ブロックテーマ(TT2やTT3などのテーマ)のテンプレートでは、旧来のテーマのように「ヘッダー」「本文」「サイドバー」「フッター」などといった決まった場所はありません。
いわば、真っ白な画面に必要な部品を貼り付けていくという感覚での編集作業となります。
従って、旧来のテーマ(クラシックテーマ)のようにサイドバーという要素もありませんし、決める必要もありません。
本ページのように右側にサイドバーのような領域を設けたいときは、カラムブロックを使って分割したところへ本文とサイドバーの部分を作成していけばよいのです。
カラムブロックで分けると、モバイルで表示した場合に左から右へと自動で縦並びに表示されるので、あまりモバイルの時は..と考えずにテンプレートの作成ができます
テンプレートはいくつでも追加できます
基本的にいくつでも投稿・固定ページ用のテンプレートなどを作ることができるので、1つは左サイドバー、1つは右サイドバー、1つはサイドバーなし、1つは幅の広いサイドバーなし..といった風に自由にテンプレートを増やせます。
もちろん作成したテンプレートは、投稿や固定ページの編集画面から簡単に選択して切り替えることができます。
theme.jsonというファイルを編集すれば、固定ページだけで選択可能、投稿だけで選択可能にするといった切り分けもできます
グローバルスタイルでサイト共通のデザイン設定ができます
TT2やTT3をはじめとするブロックテーマには、サイト全体の基本的な情報を指定(個々のブロックに何も指定しなければ適用される見た目のデザイン要素を指定)するグローバルスタイルがあります。
グローバルスタイルは、テンプレート編集画面右上にある半月?のようなマーク(下図赤枠)で設定画面を開くことができます。

グローバルスタイルでは以下の項目の設定ができますので、ここで最初に設定しておくと、テンプレート内のブロックごと、または、投稿や固定ページ編集画面でいちいち指定しなくても同じデザインが適用されるようになります(もちろん個別のブロックで色を変えたりということもできます)。
- タイポグラフィ(文字の種類や大きさなどの指定)
- 色(文字・背景・リンクなどの色の指定)
- レイアウト(何も指定しないときの標準幅、「幅広」を指定した時の各ブロックの幅、外側・内側の隙間、ブロック同士の間隔などの指定)
グローバルスタイルを設定しておく最大のメリットは、ここで変更したものが、個々に指定を変えたブロック以外のサイト内コンテンツすべてに適用されること。つまり、サイトすべての文字の色などをがらっと変えてしまうなんてことができるようになります。
従って、テンプレート内の個々のブロックではなるべくスタイル指定をせずに、グローバルスタイルでできることは指定しておくと、後々のメンテナンスがぐっと楽になります。
グローバルスタイルの編集には、theme.jsonというファイルを編集して適用するという方法もありますが、本ページでは割愛します
位置指定のあるブロックとないブロックの扱い(グループの活用)
ブロックには、「画像」や「見出し」ブロックなど、ブロックを挿入して編集する際に上部に表示されるブロックツールバーと呼ばれる部分(下図)に、赤枠で囲んだような、レイアウトの指定があるブロックと、「段落」ブロックのように指定のないブロックがあります。

レイアウト指定のあるブロックの扱い方
レイアウトの指定があるブロックでは、テンプレート内に単独で導入して、それぞれのブロックで幅の指定などができますので、そのまま挿入して編集すれば大丈夫です。
「標準」「幅広」を選択して表示される幅は前項のグローバルスタイルで指定した幅になります
レイアウト指定のないブロックの扱い方
一方、「段落」ブロックのようにレイアウト指定のないブロックでは、グローバルスタイル(サイト全体の設定)で「コンテンツ」に指定している幅で、ブロックエディター(投稿や固定ページ編集画面)上の編集も、実際の閲覧画面上も表示されます。
本サイトのように、通常は右サイドバーがあるので、本文幅(コンテンツに指定する幅)は840px、幅広時には1260pxなどと指定をした場合で、サイドバーのないテンプレートを作成しようとした時、幅指定のないブロックはコンテンツ幅以上では表示も編集もできませんから不都合(バグ?)のように感じるかも知れません。
そんな時は、レイアウト指定があり、中にいろいろなブロックが挿入できる「グループ」や「カバー」を使うと、内包したブロックの基本幅を統一することができます。
「グループ」を使う場合は、幅を統一して変化させたいブロック(単独でも複数指定でも可)を選択した状態で、ブロックツールバーの3点リーダー(縦に点が3つ並んだボタン)をクリックし、「グループ化」をクリックすれば、グループ内に選択したブロックが配置され、幅や位置の指定が柔軟にできるようになります。
グループ化したいブロックは、画面上部にあるブロック一覧メニュー(下図赤枠)を開いて、目的のブロックを「Shift」を押しながら選択する方法が簡単です

グループ化は、通常投稿を編集する際にはあまり使わないことが多いので、「うーーん、段落ブロックやリストブロックの幅が変えられん!!」となった時にはグループ化!と覚えておけば、戸惑うことは減るでしょう。
グループ化はこの目的の使用方法ありますが、幅指定のあるブロックを含めてグループ化することで、まとめて上下に移動させるといった利便性もあります(後者が一般的な使い方です)
テンプレートパーツの活用
ブロックテーマには、投稿や固定ページ、投稿一覧などを表示させるためのテンプレートとは別に、テンプレート内にパーツ化したブロック類を挿入できるようにするテンプレートパーツがあります。
ヘッダー、フッター、サイドバーにしたい部分などを登録しておけば、共通パーツとしてテンプレートに配置することができ、例えばサイドバーにしているテンプレートパーツを編集すればすべてのテンプレートの内容を一括で変更できるといった便利な使い方ができます。
テンプレートパーツは投稿などでいう「再利用ブロック」に近い機能だと考えると理解しやすいかも知れません
テーマのスタイルシート(style.css)も有効活用
TT2のようなブロックテーマや、FSE(フルサイト編集)という発想が誕生してからまだそれほど時間が経っておらず、私もずっとクラシックテーマ(PHPのテンプレート+スタイルシート)でのカスタマイズを当たり前に使ってきました。
それ故に、ブロックのオプションでいろいろと変更を加えていくことに抵抗というか不都合と感じる部分が大きくて、こんなのスタイルシートに書けばいいのに..と常に思っていました。
多分初めてブロックテーマに触れる人は私と同じようなことを感じると思います。
でも、しばらく触ってみて感じたことは、スタイルシートで何かのデザインをすることをまったく否定しなくてもいいということです。
ブロックテーマのテンプレートにまずは配置だけして、スタイルは慣れているスタイルシートにコードを記述するところからスタートして、「ここはブロックのオプション設定でできるかな?」と興味がわいたときにやってみて、うまくいったらスタイルコードをコメントアウト、大丈夫そうなら削除という段取りで全然大丈夫だと思います。
逆に最初からスタイルコードに頼らない!と凝り固まってしまうと、あれができない、あれがやりにくい..みたいなものばかりが浮かんできて、窮屈に感じてしまうと思いますから、テンプレートを書いているプログラムがPHPファイルではなくてブロックになっただけ..というところからスタートしてみることをお勧めします。
すべては自由なんですね。
まずここまでを押さえておけば、戸惑うことはかなり減ると思いますので、覚えておきましょう。
既存テンプレートの編集
基本テンプレートは以下の7つ(TT2の場合)
WordPressでサイトを表示する際に絶対必要なテンプレートは以下の7つです(クラシックテーマを作ったことがある方ならピンとくると思います)。
以下、それぞれのテンプレートの役割に従い、該当するテンプレートを通して訪問者へ表示されます。
名称 | 役割 |
---|---|
ホーム | トップページを投稿一覧にした際に使用されます 固定ページをトップページにした際の投稿一覧に使用されます |
個別投稿 | 投稿で作成したページを表示する際に使用されます |
固定ページ | 固定ページで作成したページを表示する際に使用されます トップページを固定ページに指定した際に使用されます |
アーカイブ | カテゴリー・タグ・作者の作った投稿などの一覧を表示する際に使用されます |
インデックス | 一覧類で専用のテンプレートが訪ね当たらない場合に使用されます |
検索 | 検索結果を一覧表示させる際、このテンプレートを使って表示します |
404 | アクセスしたページが見つからない場合、このテンプレートを使って表示します |
※環境によっては名称(日本語名)が異なることがあります
このようにテンプレートがいくつもあって大変そう..なんて感じがしますが、特別に個別テンプレートを使いたいという場合でなければ、名称欄の文字色が同じテンプレートは基本同じ内容で大丈夫ですし、検索や404についてはそのままでもあまり使われることがなく影響はないため、基本的にテンプレートを作成すべきは2つのパターンだけでまずはOKですから、ぐっと敷居は下がると思います。
既存テンプレートは一旦内容を削除してから作ると楽かも
既存テンプレートは各所グループ化されていたり、各ブロックにいろいろな設定がしてあったりして、そのまま変更していくとカオスになってしまう場合があります。
そこでおすすめなのが、すべてのブロックを選択して一旦削除してから再構築するという手段。
慣れていないと怖い部分がありますが、どうにもならなくなったら、以下の方法で初期状態に戻せるので大丈夫です(一部内容が本ページと重複する部分がありますがご容赦ください)。
とはいっても、初めて触るものには時間がかかるのが当たり前ですし、何より今稼働しているサイトで何かをするのは怖いですから、今のサイトのコピーを1つサブディレクトリなどに作ってテンプレートの構築をし、本番サイトへブロックのコピー、またはテンプレートの移行をするのが一番確実かもしれませんね。
と書きつつ、私はガンガンこのサイトで試してしまってます。まあ、一日ウン十万もの方が見るサイトでもあるまいし..って感じです(笑)。
投稿テンプレートを編集してみよう
何はともあれ、直接アクセスされることの多い「投稿」用のテンプレートを編集してみましょう(案外トップページなどはアクセスされないので、そちらに力を注ぐより効果的だと個人的には思います..)。
テーマエディター(外観→テーマエディター)を開いた後、以下のような順番で「個別投稿(場合によっては「単一」と表示されることも)」を開きます。

テンプレート編集画面が開いたら、前項で説明した通り、全部真っ新にしてしまった方がやりやすいですから、ブロック一覧から全部選択して消してしまいましょう!
基本的に、サイトエディター(テンプレートのエディター)は、通常のブロックエディター(投稿・固定ページの編集画面)と操作も構成も変わりませんから、不安でしたら投稿編集画面などで作っておいて、ザクっと入れ替えるなんてこともできますから、まずは投稿編集画面で形を作るのもよいでしょう
考えるべきは以下の2点です。
- 背景に画像を使う(使う可能性がある)かどうか
- レイアウトはどのようにするか(サイドバーのありなし)
後から修正もできるので、なんとなくイメージできたら進めていきましょう。
背景画像の設定
まず背景画像については、以下のリンク先ページで紹介しているように、大別して3つの挿入方法があるので、決めておくといいでしょう。
そのテンプレートだけに適用するなら、圧倒的にカバーブロックを使った方が簡単です。真っ新のテンプレートにまずはカバーブロックを挿入し、画像を設定します。
レイアウトはフルワイド(全幅)にしましょう。
背景色はカバーブロックを使わずに、グローバルスタイルで設定することもできます
以上で背景画像の指定は終わりです。簡単ですね。
ヘッダーを挿入する
先ほど作成したカバーブロックの中に、ヘッダー(サイトの最上部の部分)を挿入します。
ヘッダーは、ブロックの追加をして、ずーっとスクロールしていった「テーマ」カテゴリーの中にあります。
まあ、後から編集もできますし、変更もできますので、ひとまず挿入するといった感じで大丈夫です。
ヘッダーの編集は「テンプレートパーツ」から行えます
本文のレイアウトを設定する
ヘッダーの下に本文となるコンテンツを挿入します。
ここで2つめの決定事項であるレイアウトを決めます。
サイドバーありにしたい場合は、カラムブロックを挿入して、各カラムの幅やギャップ(ブロックの間隔)、背景色、枠線などが指定できますから、大まかなレイアウトを決めます。
これでレイアウトは完成です。これも簡単ですね。
右を大きくすれば左サイドバー、左を大きくすれば右サイドバーがあるレイアウトになります。
多分この段階で「あら簡単!」と感じてもらえるのでは?
サイドバーなしの場合でも、本文ですよ!という場所を確保しておいた方が管理しやすいので、1カラムのカラムブロックを追加しておいてもいいですし、グループを1つ追加しておくのもいいでしょう
本文の領域のカラムブロックなどには、一旦背景色を設定しておくと、真っ白でどこに何が?となるのを防げるかもしれません(後から背景色は元に戻せばいいのですから..)
フッターを追加する
本文の部分の下に、フッターを追加します。
フッターもヘッダーと同様に、ブロック一覧の「テーマ」カテゴリーの中にあります。
また、ヘッダー同様に、テンプレートパーツですから、後からいくらでも修正できます。
本文の中身を作る
ここまでで、ページの上部(ヘッダー)、本文の領域、ページの最下部(フッター)という領域が出来上がりました。
あとは、本文の中身を作るのですが..ここまで来たらもう多分迷うことはないでしょう。
本文の中身を構成するブロックは、ヘッダー・フッターと同様にブロック一覧の「テーマ」カテゴリーにある以下のものなどを使って構成します。
ブロック | 用途 |
---|---|
投稿タイトル | タイトルに入力したものが表示されます |
投稿のアイキャッチ画像 | アイキャッチ画像に指定した画像が表示されます |
投稿コンテンツ | 本文に入力した内容が表示されます |
投稿日 | 公開日(または最終更新日)が表示されます |
投稿者 | 作者の表示名が表示されます |
投稿カテゴリー | 投稿に紐づくカテゴリーの一覧が表示されます |
投稿タグ | 投稿に紐づくタグの一覧が表示されます |
コメント | 寄せられたコメントの一覧が表示されます |
投稿コメントフォーム | コメント投稿用のフォームが表示されます |
投稿・固定ページの区別はなく、また、情報のないものは何も表示されないので、情報があるかも..というものは追加しておくとよいでしょう
その他「テーマ」カテゴリーのブロックだけでなく、通常のブロックも問題なく挿入できるので、定型文や画像、広告などもここで挿入しておけば、すべての投稿で共通に表示させるものを構成できます
あとはテンプレートを保存して、どのように見えるかを実際に表示しながら、各ブロックの調整をしていけば、投稿用のテンプレートは完成です。
サイドバー部分(サイドバーありの場合)を作る
サイドバーとなる部分は、他のテンプレートでも使えるよう、テンプレートパーツで作成して部品化しておいた方が後々管理しやすくなります。
テンプレートパーツは、先ほどのテンプレートの選択画面にある一覧上の「テンプレートパーツ」から一覧が見れますし、同様に編集や追加も可能です。
もちろん、テンプレートの中に入っていないテンプレートパーツはどこにも表示されませんから、使うかもしれない..というものをどんどん作っておくのもいいでしょう。
サイドバー用のテンプレートパーツを作成したら、投稿用のテンプレートに戻って、サイドバー部分へテンプレートパーツを追加すれば、ハイ、サイドバーの完成です!。
登録済のテンプレートパーツは、ブロック追加の「テーマ」カテゴリーの中に自動で追加されるので呼び出しも簡単にできます
以上が、投稿用のテンプレートの作成方法です。
前述したように、固定ページと投稿のテンプレート構造は基本共通なので、出来上がった投稿テンプレートをそっくりそのまま固定ページテンプレートへコピーすれば、固定ページテンプレートも完成します
一覧テンプレートの編集
ここまでくると、恐らくテンプレートを触る怖さは薄れてきてるのではないでしょうか?
最後は、一覧系のテンプレートの作成・編集です。
といっても基本的には投稿テンプレートと同じ、本文部分に入れる内容が異なる位です。
本文部分には、個別の投稿用のブロックではなく、「クエリーループ」ブロックを基本的には使います。
と言ってもクエリーループブロックを挿入した時に追加されるいくつかのブロックを、カラムブロックなどで作成したレイアウトの中へコピーしていけば、本サイトの一覧(現在ではトップページも一覧になっています)のようにカード形式で表示させることも可能です。
以上、テンプレートやテンプレートパーツの作成は慣れがすべてだと思うので、最後の方はちょっと走り気味に解説しましたが、ブロックエディタの操作に面白さを感じたらもうマニュアルは必要ないでしょう(笑)。
操作に慣れるにつれて、もっともっといろいろなことができますし、テンプレートを作ることで、今まで使っていなかったブロックの編集機能に気づくこともできるので、今までの投稿制作の幅も広がっていきます。
基本ノーコード(テーマファイルにプログラムを書いたりすることなし)で自分流の表現ができる、これがブロックテーマの最大のメリットです。
【注意】独自テンプレートを追加するときは
最後に、テンプレートやテンプレートパーツを追加する際の日本語ならではの注意点を挙げておきます。
今後改善されるかもしれませんが、WordPress6.1.1の段階では、テンプレート追加時に日本語などのマルチバイト文字を入力して作成すると、テンプレートとしてきちんと認識されず、編集も削除もできなくなる現象を確認しています。
テンプレートを作成する場合は、下図のように追加するテンプレート名の部分をまずは半角英数字で追加し、後から日本語名に変更しましょう。

テンプレートは一旦完成すると編集する機会が少ないとはいえ、管理上ではわかりやすい日本語名になっていた方がよいので、半角英数字でテンプレートが追加されたら、テンプレートの一覧で目的のテンプレートの右にある3点リーダー(下図赤枠)をクリックして、「名前を変更」で変更することで、管理上の表示名を日本語に変更しておきましょう。

カスタム投稿タイプ用のテンプレートを作る
WordPress6.1のサイトエディターから、カスタム投稿タイプ用のテンプレートが簡単に作成できるようになりました。
参考:Creating templates for custom post types
カスタム投稿タイプ用テンプレートの作成は以下の手順で行います。
- テーマ編集、またはプラグインを使ってカスタム投稿タイプを作成する
- サイトエディターからカスタム投稿タイプ用のテンプレートを追加する
- カスタム投稿タイプ用のテンプレートを編集する
サイトエディター上では、テンプレートの追加時にカスタム投稿タイプを自動検出しますので、まずは一般公開を可能にしたカスタム投稿タイプを作成する必要があります。
カスタム投稿タイプを作成したら、サイトエディターを開き、下図赤枠をクリックしてカスタムテンプレートの新規作成画面を開きます。

すると、以下のようなテンプレート選択画面が開くので、「個別項目:カスタム投稿タイプの表示名」となっているものから、目的の投稿タイプ名のものをクリックします。

次に、以下の画面が表示されるので、その投稿タイプすべてのデフォルトテンプレートとするときは左の「すべての項目に対して」を、その投稿タイプの特定の投稿のみに適用させるテンプレートにするときは右の「特定の項目に対して」を選択します。
「特定の項目に対して」を選択した場合にはさらに適用する投稿の選択画面で設定をします

これで、「個別投稿(翻訳によっては「単一」)」のテンプレートがコピーされ、その投稿タイプ専用のテンプレートが作成できます。
テンプレート作成後、実際にそのカスタム投稿タイプで新規作成をすると、下図のように編集画面のテンプレートが、カスタム投稿タイプ用テンプレートに自動セットされます。

今までその投稿タイプで公開や下書き保存したものもすべて作成した投稿タイプ用テンプレートを通じて表示される点に注意ください
同様に、カスタム投稿タイプ専用のアーカイブ(一覧)も同じ手順で作成できます。
ちなみに、カスタム投稿用テンプレートを削除すると、元の「個別投稿(「単一」と表示される場合もあります)」を通じて表示されますので、カスタム投稿タイプ用テンプレート削除時にも注意が必要です
複数のテンプレートは作成できないようです
WordPress6.2RC1の段階でテストした限りでは、1つのカスタム投稿タイプに対しては、1つの個別テンプレートと1つのアーカイブしか作成できません。
が、カスタム投稿タイプの投稿でもサイドバーあり/なしなどで任意に区別したい場合は、カスタムテンプレートを作成して、選択できるようにしておくことで柔軟に対応できると思います。
編集画面で投稿タイプごとに選択できるテンプレートを設定したい場合は、theme.jsonで制御できます(本ページでは方法については割愛します)
個人的には、投稿タイプ用のテンプレートの作成が簡単にできないことで、ブロックテーマ化をためらっていたサイトがあったのですが、この機能追加によって、一歩進んでみたいという気になりました(笑)。
さいごに
テンプレートを一生懸命編集して形にした挙句に、ページ構造などの評価ってどうなってるのかしら..とGoogle PageSpeed Insightsなどで調べてみたら実に残念な結果に..というのを気にされる方も多いでしょう。
それなら苦労せずにそうしたファクターも考えた有料テーマなどをさっさと使った方がいいという方も多いと思います。
まあ、少なくともこのサイトはTT2を使って公開していることは明らかですから、実際にこのページや他のページの実際のスコアなどを見ていただくのもいいと思います。
私自身、適当にブロック入れてても、レスポンシブ対応してくれるブロックテーマ&ブロックエディタに感動して、今まで苦労してクラシックテーマ作ってたのはなんでだろう..なんて思っている次第です。
ちなみに、このサイトでは、ブロックテーマにいろいろとプログラムを追加するのもどうかと思い、必要な機能は以下の自作プラグインで補完しています。
クラシック、ブロックに関わらず、WordPressサイトの運営であったらいいなという機能を搭載してますし、TT2のようなブロックテーマで「ここが..」という部分もどんどん増やしていってますのでよかったら使って見てください。
WordPress 6.2.1からテンプレートに直接入れたショートコードは動作しないようになったので注意
日本では2023年5月17日以降随時更新されていっているバージョン6.2.1。セキュリティアップデートなので、相当古いバージョンでなければ、原則どんなサイトでも自動で更新が走ります。
この変更で問題となるのが、テンプレートに直接記述したショートコードが動作しなくなったこと。セキュリティの問題のようなので、メジャーアップデートではなく、セキュリティアップデートで更新されることとなったようです。
私も、まさか..だったのでちょっとびっくりしましたが、ショートコードのある部分をテンプレートパーツにして挿入すれば問題なく動作しますので、これからテンプレートを作る方、既にテンプレートへ直接ショートコードを挿入している方は対処してください。
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