最近のレンタルサーバーは大容量&高速処理合戦になっていますね。でもその容量使い切れていますか?
私が契約しているカラフルボックス
のBOX2プランでも実に700GBもの容量があって、画像を結構アップロードしても使用量は数パーセント、ユーザーが投稿などを行えるようにしたサイトでよほど人気が出ない限り、今後サイトやコンテンツを増やしていったとしてもこの容量を使い切ることはまずないでしょう。
そこで私はこの空き容量を利用して、家族のパソコンそれぞれに保管している画像や動画をためて置けるサイトをWordPressで作って管理・共有をしています。
今回はそのサイトを運用するのに行ったカスタマイズやおすすめのプラグインなどを紹介していきます。
かなりの長文ですので、ブックマークして時間のある時にゆっくり読んでいただくか、パソコンでご覧の場合には画面左下の「目次」から必要な箇所へジャンプしながら読んでください
完成イメージ(スクリーンショット)
実際に自信この方法でサイトの作成と管理をしていますが、当然ながらプライベートサイトなのでサンプル表示などはできません。以下サンプルとしてスクリーンショットをいくつか掲載しておきますのでどんな風になるのかを想像いただければと思います。
まずはサイトにアクセスするとこんなログインページが表示されます。

そしてログインすると以下のようなトップページへ飛ぶようになっています。

トップページには管理画面側のメディアアップロード画面へのリンクとメディアライブラリへのリンク、そして年代別に分けた動画・画像一覧ページへのリンクを表示するようにしています。
画像一覧ページはこんな感じです。

画面上部の左側に他の年度へジャンプするためのリンクをポップアップ表示させるためのボタンと、その年の写真の総数を表示させるようにしています。
デモはありませんが、並んだ画像の1つをクリックするとポップアップで画像がスライド表示されるようにしています。
続いて以下が動画の一覧ページです。

こちらは動画の画像をクリックするとポップアップ画面で動画プレーヤーが起動し、再生することができるようになっています。
以上が本ページを参考にしていただいて作成できる機能です(デザインは自身で行っていただく必要があります)。
なおこのサイトは本サイトと同じ契約内のカラフルボックス
レンタルサーバーBox2プラン上で展開しており、現在、画像を6,400枚、短い動画を440本ほどアップロードしていますが、特にリソースを過大に使用することもなく正常に動作しています。
どの程度の規模まで大丈夫なのかは契約しているサーバーやプランによると思いますが、少なくともサーバーの領域に余裕があるなら試してみてもいいでしょう。
またこのサイトは現在、WordPress6.7.1、PHP8.2、Twenty Twenty-Threeをフォークしたテーマを使用し、後述する機能に応じたプラグインやカスタムコードを使っています。
使用するプラグインやカスタムコード
後程順に詳しく紹介していきますが、本ページの方法で画像や動画のアルバムをWordPressで作るには、以下のプラグインを使用したりカスタムコードを追加することを前提にしています。
先頭に★があるのは機能実装に必須なもの、ないのは運営上便利なものです
サイト全体(画像・動画アルバム共通)で使用するプラグイン
また、本サイトで無料配布しており、サイト全体のいろいろな設定ができる以下のプラグインを使用しています。
画像アルバム用に使用するプラグイン
動画アルバム用に使用するプラグイン
プラグインは一例ですので、他に自身で使いやすいものがあれば代用ください
また、そのプラグインへ変更を加えるためのカスタムコードや、その他の機能を実装するためにカスタムコードを使う機会もあります。カスタムコードの追加には有効化しているテーマのfunctions.phpやstyle.cssへ何かのコードを追加が必要となります。
これらの作業を行ったことがない方や自身の環境に応じて書き換えることが難しい方には向いていません。
特定の拠点からしかアクセスできない環境を作る
レンタルサーバーはそもそもウェブサイトを公開するために用意されているサーバーなので、何もしなければどこからでも誰でも閲覧できるようになっています。
今回のように私的に閲覧する目的であれば、特定の拠点以外からのアクセスができないようにすることはマストです。
これについては以下のページで詳しく紹介していますので、今回のような目的で使用するためのディレクトリにWordPressをインストールしたら、必ずこの措置を行ってください。
なお本ページではこの措置を行った前提で進めていきます。
Subwayプラグインの設定
上記のリンク先ページで詳しく解説していない「Subway」プラグインの設定について補足しておきます。
このプラグインは未ログインの人を必ずログイン画面へ遷移させるもので、設定と処置を行うと、バックエンド(管理画面側)のログイン画面ではなくフロントエンド(閲覧画面)上にログインフォームを表示させることができ、バックエンドへ極力遷移せずに操作を行う体制を作ることができます。
メインページとログインページを作る
まずは2つの固定ページを作ります。1つは未ログインの人とログインした人を遷移させるメインページ、もう1つはログインページです。
メインページは後々作成していきますので、新規作成して適当なタイトルを付け、コンテンツは空のまま公開しておけばいいでしょう(固定ページはタイトルがそのままページスラグ(URLの一部)になってしまうので、homeなどというスラグを指定したほうがいいと思います)。
ログインページは適当なタイトルを付け、以下のショートコードを入れて公開します(固定ページはタイトルがそのままページスラグ(URLの一部)になってしまうので、homeなどというスラグを指定したほうがいいと思います)。
[subway_login]
インストール後の設定
Subwayプラグインは公式では配布が終了しているプラグインですので、以下のリンク先ページからダウンロードしてインストールします。
Subwayプラグインがなぜ公式配布されなくなったのか?配布されなくなった原因に対する対処方法についてはリンク先ページをご覧ください
インストール&有効化したら、「設定」→「Subway」を開き、以下の項目を設定します。
Login Page | プルダウンから先ほど作成したログインページを指定します |
Redirect Type | 「Custom Page」を選択し、プルダウンから先ほど作成したメインページを指定します |
設定を保存したら、一旦ログアウトしてからサイトのトップページへアクセスし、ログインページが表示されるか、ログイン後はメインページへ遷移するかを確認してください
WordPressの基本設定
後程画像と動画それぞれのアルバム作りの方法を紹介しますが、ここではどちらにも共通したWordPressの基本設定について紹介します。
表示内容の設定
「設定」→「表示設定」を開き、以下の項目を設定します。
- ホームページの表示を「固定ページ」にし、先ほど作成したメインページを指定します
- 検索エンジンでの表示の「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」にチェックを入れます
前者はログイン後のメインページと、サイト内からトップページへのリンクをクリックした時のページを一致させるため、後者はアクセス制限によって検索エンジンが巡回してくることはないものの念のため検索エンジン内に登録しないように指示するものです。
メディアの設定
「設定」→「メディア」を開きます。
「アップロードしたファイルを年月ベースのフォルダーに整理」のチェックを外して保存します。
これにチェックが入っていると、アップロードしたファイルが年月で作成したフォルダの中へ保存されます。アップロード後に日付の変更をしたりすると不具合が発生する可能性があるため、振り分けを行わないようにしておくための措置として行います
サムネイルや中サイズ画像の大きさ(サイズ)についてはテーマにより指定サイズがある場合や、表示する一覧の画像サイズが予め確定している場合を除き特に変更の必要はないでしょう。ちなみに私が管理しているサイトでは、下図のようにサムネイルは150×150、中サイズは300×300、大サイズは0x0(無効)にしています。

パーマリンクの設定
パーマリンクとは、投稿を作成した時に自動でセットされるURLの一部のことです。標準ではカテゴリーと投稿タイトルがセットされていて使用しにくいので、変更しておくといいでしょう。
「設定」→「パーマリンク」を開きます。
カスタム構造項目に「/%post_id%」と入れて保存します。
これでURLの一部が投稿ID(何かを変更しても変わることのない一意の数字)になります。
パーマリンクの部分は好みですので何でもいいですが、後から変更するとボタンのリンクを張りなおしたりする作業が必要になりますので最初に設定しておくことをおすすめします
コメントの無効化
アクセス制限をかけていれば閲覧はもちろんコメントを残すこともできないですが、念のためコメント機能を止めておきましょう。
「設定」→「ディスカッション」を開きます。
以下の項目のチェック(入っていれば)を外して保存します。
- 投稿中からリンクしたすべてのブログへの通知を試みる
- 新しい投稿に対し他のブログからの通知 (ピンバック・トラックバック) を受け付ける
- 新しい投稿へのコメントを許可
写真のアルバムを作る
写真(画像)アルバムを作る方法を紹介します。ここで紹介するものを実装すると以下のように動作します。
- アップロードした画像を自動で撮影日=画像のアップロード日になるようにする
- WordPress標準のgalleryショートコードを使って撮影日順に一覧表示させるようにする
- メディアをカテゴリー分けして、年単位で別の一覧ページを作れるようにする
- 一覧内の画像をクリックするとそのページ内の画像がスライドショー表示されるようにする
必要なプラグインのインストールと設定
Upload Media Exif Date
WordPressのメディアにアップロードした画像はアップロードした日を公開日として扱うため、過去の写真をアップロードした際に日時の管理がとてもしにくいです。そこで以下のプラグインを有効化しておくことでメディアのアップロード時に、撮影した写真のアップロード日時を撮影日時データへ置き換え、画像を正確な撮影日時順で管理できるようになります。
このプラグインはインストール&有効化するだけで機能するので何も設定は必要ありません
Exif Caption
アップロードした画像のキャプション(アルバム一覧上で表示される文字情報)はファイル名になっています。このプラグインを使うと、操作画面からEXIF情報をキャプションに書き換えることができます。
インストール&有効化したら「メディア」→「Exif Caption」を開き、「設定」タブをクリックしてどんな情報をキャプションとして置き換えるのかを設定します。ちなみに私のサイトでは以下のように単純に撮影日時をキャプションにしています。
%created_timestamp%
ARI Fancy Lightbox
後程紹介するgalleryショートコードで画像を一覧表示させた際に、画像をクリックするとスライドショー表示させる機能を追加するために使用します。
プラグイン一覧にあるARI Fancy LightboxのSettingsリンクをクリックして設定画面を開き、Integrationタブ内の以下の項目をONにすることが必要です。
- Convert WordPress galleries
- Navigate between items
あとはライトボックス(スライド表示)の動作やスタイルの設定ができますので、サイトに合わせて設定を行ってください。
英語表記のプラグインですので日本語化したほうが設定はしやすいです。こちらで日本語化ファイルを入手できます。
Media Library Categories
メディアにアップロードした画像を任意の期間(年や月など)でカテゴリー分けするために使用します。
後程紹介するgalleryショートコード内でカテゴリーを指定することでその期間だけの画像ギャラリーを表示させることができるようになります。
functions.phpへ追加するカスタムコード
有効化しているテーマのfunctions.phpへ追加するコードです。
環境によっては必要がないものもありますので、判断して追加ください。
メディアのカテゴリーと通常のカテゴリーを分ける
Media Library Categoriesプラグインを使って作成したカテゴリーはWordPressのカテゴリー(正確にはタクソノミー)の一部として扱われてしまい、検索や絞り込みなどで混在してしまうことがあるので、以下のコードを追加して分離します。
add_filter('wpmediacategory_taxonomy' , function(){return 'category_media';} );
本ページのようにプライベートな画像と動画のアルバムのみでサイトを構成する場合は不要です
メディア一覧の無限スクロールを復活させる
WordPressのどこかのバージョンから、メディアライブラリでグリッド表示(画像のみの表示)をさせた際に「さらに読み込む」をクリックして続きを表示させるようになりました。これを以前のスクロールすると自動で続きの画像が表示されるようにしたい場合には以下のコードを追加します。
/***** メディアライブラリの無限スクロール復活 *****/
add_filter( 'media_library_infinite_scrolling', '__return_true' );
メディアカテゴリーの列幅を整える
Media Library Categoriesプラグインを追加後、メディアライブラリでの列表示が崩れたりする場合には、以下のコードを使って整えるようにします。
/***** メディアカテゴリーの列幅 *****/
function pwcn_media_category_column_width(){
?>
<style>
.column-taxonomy-category_media {
width: 10%;
}
</style>
<?php
}
add_action('admin_head','pwcn_media_category_column_width');
style.cssへ追加するカスタムコード
ギャラリー(画像一覧)のスタイル
列数を3列として表示させるためのギャラリー用のショートコードを後程紹介します。このショートコードはWordPress標準のショートコードではあるものの、使用しているテーマにスタイルコードが存在しない場合には1列で表示されることがあります。必要であれば以下のスタイルコードを追加することで3列で表示されるようになります。
/***** 画像・動画ギャラリーのスタイル *****/
/*** 画像ギャラリーの3列表示 ***/
/* 3列表示時に横並びにする */
.gallery-columns-3 {
display: flex;
flex-wrap: wrap;
}
/* 個々のギャラリーアイテムの調整 */
figure.gallery-item {
width: calc(100% / 3 - 30px);
padding: 8px;
background: #2e4e0090;
margin: 4px;
color:#fff;
font-weight:600;
text-align:center;
border:1px solid #2e4e00;
border-radius:4px;
}
/* ギャラリーの個別画像の調整 */
figure.gallery-item img {
width: 100%;
height: auto;
object-fit: cover;
max-height:200px;
}
上記コードでもテーマによっては表示がおかしくなることがありますので、適宜調整ください
画像をマウスオーバーした時に画像を少し拡大する
ギャラリーの画像をマウスオーバーした際に画像を少し拡大させてクリック可能であることを知らせたい場合やちょっとおしゃれにしたい場合には以下のコードを追加してみてください。
/* ギャラリー画像のホーバー時に画像を拡大縮小 */
.gallery-icon {
overflow: hidden;
height: 200px;
margin-bottom: 8px;
}
.gallery-item img {
transition: 1s all;
}
.gallery-item img:hover {
transform: scale(1.1,1.1);
transition: 1s all;
}
ログイン画面のスタイル
前述のSubwayプラグインで作成したログイン画面のスタイルコード例ですのでコード追加後適宜変更してください。
/* ログイン画面 */
.mg-top-35.mg-bottom-35.subway-login-form {
margin: 0 auto;
color: #fff;
text-align: center;
font-weight: 700;
background: #2e4e0090;
border: 1px solid #2e4e00;
padding: 4px;
}
p.subway-login-lost-password a {
color: #fff;
font-size: 0.8rem;
}
画像のアップロードとアップロード後の処置
画像のアップロードと措置は単純作業で飽きてしまうので、いくつか画像をアップロードしたら一旦次項の画像アルバムページを作って、先にどのような動きをするのかを実感すると出来上がりが想像しやすくなります。
画像を振り分けるカテゴリーを作る
Media Library Categoriesプラグインを有効化すると、メディアメニュー内に投稿と同じような、メディア専用のカテゴリーサブメニューが追加されます。
画像アップロード後に紐づけを行うカテゴリーを追加しておきます。
個人的には西暦年で振り分けるのが一番管理しやすいと思います
画像をアップロードする
Upload Media Exif Dateプラグインを有効化していることを確認してから、通常通りメディアライブラリから写真をアップロードします。
アップロード後、公開日列が撮影日時になっているかを確認し、アップロードする画像にEXIF情報がないため公開日がアップロード日時になっているものは修正します
日時の確認ができたら、先ほど作成したカテゴリーへの紐づけを行います。
紐づけは下図のようにメディア一覧で紐づける画像の左にチェックをいれていき、上部のプルダウンから「〇〇に追加」を選択して適用ボタンを押す一括編集が簡単でおすすめです。

画像アルバムページを作る
いよいよ最終段階、画像アルバムページを作り、実際にアルバムの表示とスライドショーの表示をさせてみましょう。
これまで紹介したプラグインを使い、適切に設定している場合には、以下のショートコードを挿入することでギャラリーが表示され、ギャラリー内の画像をクリックするとスライドショーが再生されます。
[gallery category = "カテゴリーのスラグ" size = "medium" columns = "3" order = "DESC" orderby = "post_date" link="file"]
「カテゴリーのスラグ」部分は、メディアのカテゴリーのスラグを指定します
以上が画像アルバムを作る手順です。プラグインの追加や設定、カスタムコードの追加などちょっと大変ですが、一度出来上がってしまえば画像のアップロードとアップロード後の措置を行って画像を追加していくだけですから管理はとてもしやすいと思います。
続いて動画アルバムを作りたい方は次項をお読みください。
動画のアルバムを作る
ここでは動画アルバムを作る方法を紹介します。
必要なプラグインのインストールと設定
PNG to JPG
後程紹介する動画からアイキャッチ画像の生成を行うツールでは、.png形式の画像が作成されますが、WordPress上で使うにはサイズが大きいので、以下のプラグインを使ってアップロードした画像を自動で.jpg形式に変換するのに使います。
プラグイン一覧画面から「PNG to JPG」の設定画面を開き、以下の項目を設定します。
- JPG qualityを100%にする
- Only convert image if JPG filesize is lower than PNG filesizeにチェックを入れる
- Leave original PNG images on the serverにチェックを入れる
Video gallery and Player
別の投稿タイプ(投稿の集まり)で動画コンテンツを作り、ショートコードでの一覧出力とクリック時に動画プレーヤーを起動させて再生できるようにするプラグインです。
普通に動画を埋め込む時と比べ、一覧(ギャラリー)で読み込まれるのはアイキャッチ画像だけなので、読み込みがかなり軽くなります。
プラグインをインストール&有効化したら「Video Gallery」メニューからカテゴリーを作成しておきます。
動画をアップロードする前に行っておくこと
動画の圧縮(必要であれば...)
動画ファイルは画像と比べてかなり大きなファイルサイズになります(動画のクオリティが29fpsの場合、動画1秒あたり29枚前後の静止画があると考えれば、1分の動画がどれほどの容量なのかは想像がつきますね)。
動画の容量を減らす一番簡単な方法は動画の縦横サイズを縮小することです。多少荒くなってもよければ、幅1280px程度(高さは動画の縦横比による)に縮小するとかなりファイルサイズは小さくなります。
これはWordPress上では行えませんので、「オンラインでビデオファイルのサイズを無料で削減」というオンラインツールを使います。
このツールを使ってフルHDで撮影した62MBの動画を、幅1280px(Youtube動画と同じ幅)に変換すると、8.7MBになりかなりファイルサイズを絞ることができます。
ツールの使い方について詳しくは以下のページをご覧ください。
このツールを使って加工しダウンロードした動画は動画情報(EXIF情報)のほとんどが削除されます。一番困るのが動画の撮影日時だと思いますので、事前にファイル名を撮影日時にしておくなど分かるようにしておきましょう
このオンラインツールは.mp4形式の動画をリサイズするものですので、その他の形式の動画は事前に.mp4形式へ変換する必要があります。
EX:3gp形式からmp4形式への変換は「3GPからMP4へのコンバータ」が便利です。
動画サムネイルの生成
先に紹介した動画ギャラリープラグインでは、前述したように動画そのものを一覧(ギャラリー)表示させるのではなくその動画に登録されているアイキャッチ画像を表示させ、再生ボタンをクリックするとプレーヤーが起動するという仕組みになっています。
このアイキャッチ画像は同時期の適当な画像でもいいのですが、どんな動画なのかが想像できるよう、動画内から切り出した静止画を使用するのがいいと思います。
WordPressには静止画を切り出す機能がありませんので、以下のページで紹介するオンラインツールなどを使ってアイキャッチとなる画像を作ります。
動画のアップロードとアップロード後の措置
動画のアップロードと動画サムネイルの設定
メディアアップローダーから動画と、先ほど生成した動画サムネイル用の画像をアップロードします。
アップロードが終わったら、編集を開いてアイキャッチ画像にサムネイル用の画像を指定して保存します。
ギャラリー用の動画コンテンツの作成
管理画面の「動画ギャラリー(英語表記の場合は「Video Gallery」)」をクリックします。
通常の投稿のような一覧が表示されるので新規追加をクリックします。
タイトルにはギャラリーに表示するタイトルを入力し、「動画/mp4」の右にアップロードした動画のURLを指定し、アイキャッチ画像に先ほどの動画サムネイルを指定して保存します。
このギャラリーはカテゴリーで絞り込んで出力することも可能ですので必要であれば年などの単位でカテゴリーを作成して紐づけておくといいでしょう
この時公開日を動画の撮影日に変更しておくと、メディア一覧上の公開日、ギャラリーを公開日順で表示した際に正確な位置へ表示されるようになります
一括で動画をアップロードする際に行うこと
撮りためた動画を後からまとめてアップロードして、動画再生コンテンツを作成することも多いと思いますので、その際に行っておいた方がいいことを紹介しておきます。
動画のアップロード日と撮影日を合わせる
実際に一覧表示されるのは、コンテンツの公開日順になるのですが、管理画面のメディア一覧上で後々確認しやすいよう、画像と同じように「Bulk Datetime Change」プラグインを使って動画の撮影日とアップロード日を合わせておくとよいでしょう。
動画の掲載日を撮影日に合わせる
ショートコードを使って出力する一覧は動画コンテンツの公開日を基準として降順で表示されます。
動画の撮影日とコンテンツを追加した日が異なる場合には、コンテンツ作成時に公開日を合わせておくことで、一覧が適切な順番で表示されますから、公開前にチェックしておきましょう。
なお、既に作成した動画コンテンツの公開日は、いちいち動画コンテンツの編集画面を開かなくても、クイック編集から簡単に変更できます。
動画ギャラリーを表示させる
画像アルバムの時と同様に、動画ギャラリー用の投稿を作り、以下のショートコードを挿入します。
[sp_html5video grid="2" popup_fix="false" limit="" category="カテゴリーID" post=""]
「カテゴリーID」はプラグインのインストール後に追加したカテゴリーのIDを指定します。
その他gridパラメーターで列数を指定する以外は特に変更しなくても大丈夫です。
一応私が作成したギャラリーサイトでは以下のスタイルコードをstyle.cssへ追加して体裁を整えていますが、追加しなくてもそれなりに表示されると思いますので参考としてご覧ください。
/*** 動画ギャラリーのスタイル ***/
/* モーダルウインドウのスタイル */
.white-popup-block {
background: #2e4e0090!important;
margin: 60px auto!important;
line-height: 0!important;
width: 100%!important;
position: relative!important;
text-align: left!important;
padding: 8px!important;
}
.wp-html5vp-popup-wrp .wp-hvgp-video-frame {
padding: 4px!important;
background:#2e4e00!important;
}
.video_title {
font-weight: 500;
}
.video_frame {
background: #2e4e0090;
border:1px solid #2e4e00;
}
.video_frame {
text-align: center;
margin-bottom: 15px;
padding: 4px;
}
.video_image_frame img {
padding: 4px;
max-width: 98% !important;
border:none!important;
box-shadow: unset!important;
}
.video_frame:hover .video_image_frame img {
-moz-box-shadow: unset;
-webkit-box-shadow: unset;
box-shadow: unset;
border: none!important;
}
あると便利なカスタムコードやプラグイン
より便利にするプラグイン
a3 Lazy Load
一覧表示させる際の画像や動画のアイキャッチ画像を遅延読み込みさせるためのプラグインです。WordPressには標準で画像に対して必要なものには「loading=”lazy”」属性を付加して遅延読み込みさせる機能があるのですが、こちらのプラグインを使った方が確実に動作する気がします(あくまでも体感上の話です)。
Download Media
WordPressにはメディア一覧上で1つずつ画像や動画・ファイルをダウンロードするためのリンクが備わっています。
いくつかのメディアファイルをダウンロードするならこれで事足りるのですが、まとめてダウンロードするには何度もダウンロード操作を行う必要がありますし、グリッド表示(メディアを大きな画像で横並びにする表示方法)では一度メディアの編集画面を表示させないとダウンロードできないためちょっと使いにくいです。
このDownload Mediaを使用すると、選択した複数のファイルを一括してダウンロードしたり、全メディアを一括ダウンロードしたり、グリッド表示上で簡単に目的のメディアをダウンロードできたりするのでとても便利です。
とDownload Media紹介してきましたが、2024年3月2日でこのプラグインはダウンロードできなくなっていました。こちらのページによると、理由は権限や認証によるアクセス制限が十分にできていないということのようです。
ただ、本ページで作成するサイトはそもそも閉鎖サイト(プライベートサイト)で、許可した拠点以外からのアクセスはできませんし、よしんばアクセスされたとしてもログインできなければ何もできませんから、この心配は無視して構わないと思いますし、必要時以外有効化しなければよいと言えます。
以下からダウンロードできるようにしておきますので、必要な方はダウンロードして使用してください。
累計ダウンロード数:1回
Hima Art Utility
本サイトで配布しているプラグインです。
このページで紹介しているカスタムコードの中で「Hima Art Utilityで簡単に設定できます」と表示しているものはコードを追加しなくてもこのプラグインの設定画面から制御できます。
また、その他WordPressサイトの管理で「これができたらいいのに..」というものをたくさん詰め込んだプラグインですので、本ページのようなサイトの制作以外でも重宝すると思います。
User Admin Simplifier
本ページで紹介するようなサイトでは、複数の人(他の家族や従業員など)が画像や動画・ファイルをアップロードしたりすることがあると思いますが、このプラグインはユーザーごとに管理画面に表示するメニューの任意項目を非表示にすることができ、アップロード以外の操作は極力させたくない、そんな時にこのプラグインは重宝します。
以上、プライベートにしたWordPressサイトで動画や画像アルバムを作る方法でした。
最後に、紹介した中には公式で配布されなくなった「Subway」「Download Media」というプラグインをなぜ使うのかついて補足しておきます。
どちらも有用で唯一無二の機能を持つプラグインで、個人的にはニッチなユーザーに人気があったものの、ユーザーからの問い合わせに無償で対応することに疲弊したり、セキュリティ上のことを言われて修正を迫られたりして「もういいや..」となったのかなと想像します。
これまた個人的な意見ではありますが、前者のプラグインではREST APIからのアクセスを防げていない(このAPIを通じて他者が情報を取得できてしまう)というセキュリティとはちょっと違った問題ですし、後者のプラグインではそもそもログインして管理画面に入り、かつ、メディアに対する編集権限(メディアの一覧を開いて操作する)がなければリスクは少ないです。プラグインのセキュリティ上の問題については、よくSNSなどでどんな問題なのか?何が起こる可能性があるのか?について把握しようとしないまま、問題だ問題だと騒ぐ傾向があることが非常に残念に思います。
逆にそうした人に限って、セキュリティに問題があることすらわかっていないのに誰かが公開しているカスタムコードを検証もなしに使用しているのでは?と問いかけたい位です。それ位些細な可能性をセキュリティリスクとしているケースも少なくないのですから..。
それでも本ページで紹介した「Subway」や「Download Media」プラグインを使うのはちょっと..という方は、ご自身で同じものを探してみてくださいね。
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